ドイツ語入門講座


 とある煩悩がきっかけでちみちみと独学。
 なので外国語コンテンツ、ここだけは信用しても大丈夫です。でもうっかりミスなんかあったら教えて下さいねー(おい)
 低音の似合う響きなので、きっとGが喋ると素敵でしょう。聞いたことないけど、声の高さは身長(より正確には声帯の長さ)に反比例するらしいし。

 なお例文などでは、ウムラウト(アルファベットの上に点々があるヤツ)は直後に「e」を補い、エスツェット(ギリシャ語アルファベットのベータみたいなの)は「ss」と表示しています。日本語と同時には表記できないのです;タグもあるけどネスケじゃ無効だし。


アルファベート

 もともとの字体は他の言語のアルファベットとは少し違う装飾的なものだったけど、かの悪名高いヒトラーが政策の一環として現在の簡易なアルファベットを定着させた、らしいです(出典はうろ覚え……たしか中公新書『ドイツ近代科学を支えた官僚』じゃなかったかと)。 英語と同じ順で、以下のように読みます。

A,B,C,D,E,F,G
アー、ベー、ツェー、デー、エー、エフ、ゲー
H,I,J,K,L,M,N
ハー、イー、ヨット、カー、エル、エム、エン
O,P,Q,R,S,T,U
オー、ペー、クー、エル、エス、テー、ウー
V,W,X,Y,Z
ファオ、ヴェー、イクス、ユプシロン、ツェット

で、これに加えて「アー・ウムラウト」「オー・ウムラウト」「ウー・ウムラウト」「エスツェット」があります。


文法(基本文型)

主語+動詞
飛行船が飛ぶ。
Das Luftsiff fliegt.
(ダス・ルフトシフ・フリーグト)

主語+動詞+述語
彼はドイツ人だ。
Er ist der Deutsche.
(エア・イスト・デア・ドイッチェ)

主語+動詞+副詞類
彼はその島へ行く。
Er geht nach die Insel.
(エア・ゲート・ナッハ・ディー・インゼル)

主語+動詞+目的語
彼はドレスを縫う。
Er naeht ein Kleid.
(エア・ネート・アイン・クライト)

主語+動詞+目的語+目的語
彼は熊にドレスを与える。(迷惑)
Er gibt dem Baer das Kleid.
(エア・ギプト・デム・ベーア・ダス・クライト)

主語+動詞+目的語+副詞
彼の上司はその家を熱心に(=よく)訪れる。
Sein Obere besucht das Haus fleissig.
(ザイン・オベーレ・ベズーフト・ダス・ハオス・フライッスィヒ)

主語+動詞+目的+目的語的述語
彼は鋏を鋭利に研ぐ。
Er schleift die Schere Scharf.
(エア・シュライフト・ディー・シェーレ・シャルフ)


発音

 それぞれの音をはっきりと力強く発音します。
 リズムは基本的に「強弱強弱」の繰り返し。
 ほぼベタにローマ字読みで良いのは有難いです。ネックは母音を挟まない子音の連続が多いことくらい?ローマ字読みの例外は以下の通り。

■母音
「母音+h」もしくは「同じ母音の連続」は長音化を示す。
「au」:「アオ」と発音
「ei」:「アイ」と発音
「eu,aeu」:「オイ」と発音。後者はアーウムラウトです。
「ay,ey」:「アイ」と発音。
語尾の「r」:「ア」あるいは「アァ」と発音。

■子音
母音を伴わない「b」:「プ(p)」と発音。
母音を伴わない「d」:「ト(t)」と発音。
母音を伴う「s」:「ズ(z)」と発音。
外来語以外の「v」:「フ(f)」と発音。
ds:「ツ」
dt:「ト」
ig:「イヒ」母音を伴わない、主に語尾での発音です。
ch:a,o,u,auの後なら「ハ」それ以外の子音の後なら「ヒ」外来語に対してはこのつづりで「ク、シュ」と読むことも。
cht:「クス」
chs:「ハス」「ヒス」
sch:「シュ」
sp:「シュプ」
st:「シュト」「スト」

まだあるけど、あんまり長々書いてもなー。
この辺で切りますので、あとは興味のある方はご自分でどうぞ。


言語の特徴

1.活用
 動詞、名詞、形容詞のすべてが性と格、数の単複に応じて変化します。
 格は英語で言う「I、of me、to me、me」に相当する4つ(この順で1格、2格、3格、4格)。
 先祖に当たるラテン語になると主語が不要なほど活用があったので、そこから英語へ向かって崩れていく中間くらいの感じ?

2.性
 すべての名詞が「男性」「女性」「中性」のいずれかの性を持ちます。「父/Vater(ファーター)」なら男性で「主婦/Hausfrau(ハオスフラオ)」なら女性、「子供/Kinder(キンダー)」なら中性というところまではまぁ我々の理解の範囲内。
 だけど「口紅/Lippenstift(リッペンシュティフト)」が男性だったりするので、無生物に関しては深く考えてはイケマセン。語尾などの言葉の形によって決まっているそうです。
 また、名詞の語頭は常に大文字で書かれます。

3.規則性
 文章の中のどの要素なら省略しても良くて、どの要素はダメなのか。あるいは語順に関して、割と厳格な規則があります。(そしてそのきっちりかっちりした「規則性」に、私は「いかにもドイツ」の夢を見ます…/笑)枠構造とか、↑の文型ではそこまでいけなかったけど、結構有名なキータームですかしらん?


方言

 ざっと書籍をあさった限りでは、特に言及されていませんでした。〇〇訛り、なんてのはそりゃあ存在するんですが、中国やイタリアほど特異な状況ではないのかな、と。
 ただし語彙に関しては北と南でかなり差異があります。挨拶だとか曜日なんて初心者レベルの単語でも出て来るのでちょっと注意。


基本単語

人称

私が、私の、私に、私を
ich,meiner,mir,mich
イッヒ、マイナー、ミーア、ミッヒ

私達が、私達の、私達に、私達を
wir,unser,uns,uns
ヴィーア、ウンザー、ウンス、ウンス

貴方が、貴方の、貴方に、貴方を
Sie,Ihrer,Ihnen,Sie
ジー、イーラァ、イーネン、ジー

貴方達が、貴方達の、貴方達に、貴方達を
Sie,Ihrer,Ihnen,Sie(単数形と同じ)
ジー、イーラァ、イーネン、ジー

君が、君の、君に、君を
du,deiner,dir,dich
ドゥ、ダイナー、ディーア、ディッヒ

君達が、君達の、君達に、君達を
ihr,euer,euch,euch
イーア、オイヤァ、オイヒ、オイヒ

彼が、彼の、彼に、彼を
er,seiner,ihm,ihn
エア、ザイナー、イーム、イーン

彼らが、彼らの、彼らに、彼らを
sie,ihrer,ihnen,sie
ジー、イーラァ、イーネン、ジー

彼女が、彼女の、彼女に、彼女を
sie,ihrer,ihr,sie
ジー、イーラァ、イーア、ジー

(複数形は「彼」と同じ)

それが、それの、それに、それを
es,seiner,ihm,es
エス、ザイナー、イーム、エス

(複数形は「彼」と同じ)

所有形容詞
私の、私達の、貴方の、貴方達の、君の、君達の
mein,unser,Ihr,Ihr,dein,euer
(マイン、ウンザァ、イーァ、イーァ、ダイン、オイヤァ)

彼の、彼女の、それの、彼/彼女/それらの
sein,ihr,sein,ihr
(ザイン、イーァ、ザイン、イーァ)

敬称

男性に対する「〜さん」:「Herr 〜(ヘル、ヘァ)」
既婚女性に対する「〜さん」:「Frau 〜(フラオ)」
未婚女性に対する「〜さん」:「Freulein 〜(フロイライン)」

フロイラインの元もとの意味は「お嬢さん」なので、近年では未婚であっても大人の女性に対しては「Frau」を使うのが礼儀に適う、とされる風潮だそうです。

否定

 文の末尾、あるいは否定したい要素の直前に「nicht(ニヒト)」を置きます。
 所有や存在を意味する場合には、否定する要素の直前に「kein(カイン)」を。「kein」はそれが否定する要素が「男性か女性か中性か」また「単数なのか複数なのか」によって活用されます。

数詞

0〜7
null,eins,zwei,drei,vier,funf,sechs,sieben
(ヌル、アインス、ツヴァイ、ドライ、フィーア、フュンフ、ゼックス、ジーベン)
8〜12
acht,neun,zehn,eif,zwoelf
(アハト、ノイン、ツェーン、エルフ、ツヴェルフ)

以降13〜19
1の位の数の後に-zehnを添える。
13ならdrei+zehn=dreizehn(ドライツェーン)

20 zwanzig(ツヴァンツィヒ)

30〜90、10の位の数
10の位の数の後に-zig(30だけは-ssig)を添える。

100 ein hundert(アイン・フンデルト)
1,000 tausend(タオゼント)
10,000 zehntausend(ツェーンタオゼント)
100,000 hunderttausend(フンデルトタオゼント)
1,000,000 eine Million(アイネ・ミリオーン)

曜日と月日

■曜日を月曜日から順に
Montag(モンターク)
Dienstag(ディーンスターク)
Mittwoch(ミットヴォッホ)
Donnerstag(ドナースターク)
Freitag(フライターク)
Sonnabend(ゾンアーベント/北独)Samstag(ザムスターク/中・南独)
Sontag(ゾンターク)

■月を1月から順に
Januar(ヤヌアール)
Februar(フェーブルアール)
Maerz(メルツ)
April(アプリル)
Mai(マイ)
Juni(ユーニ)
Juli(ユーリ)
August(アオグスト)
September(ゼプテムバァ)
Oktober(オクトーバァ)
November(ノヴェムバァ)
Dezember(デツェムバァ)

■日付は、数詞を序数に変えるだけです。
序数は大体、最後に「t」の音を添えて作ります。

季節

春:Frueling(フリューリング)
夏:Sommer(ゾンマー)
秋:Herbst(ヘルプスト)
冬:Winter(ヴィンター)

国名

アメリカ、イギリス、イタリア、中国、ドイツ、日本
Amerika,England,Italien,China,Deutschland,Japan
(アメーリカ、エングラント、イターリエン、ヒーナ、ドイチュラント、ヤーパン)
*定冠詞はすべて「das」ですが、省略しています;

アメリカ人、イギリス人、イタリア人、中国人、ドイツ人、日本人
der Amerikaner,der Englaender,der Italiener,der Chinese,der Deutsche,der Japaner
(デア・アメリカナー、エングレンダー、イタリエーナー、ヒネーゼ、ドイッチェ、ヤパナー)
*女性であれば定冠詞は「die」で語尾も変わります。


基礎会話

はい/いいえ
Ja!(ヤー)/Nein!(ナイン)

おはよう
Guten Morgen!(グーテン モーゲン)

こんにちは
Guten Tag!(グーテン ターク)

こんばんわ
Guten Abend!(グーテン アーベント)

おやすみなさい
Gute Nacht!(グーテ ナハト)

お願いします、どうぞ
Bitte!(ビッテ)

ありがとう/どういたしまして
Danke schoen!(ダンケ シェーン)/Bitte schoen!(ビッテ シェーン)

すみません/どういたしまして
Verzeihung!(フェアツァイウング)/Bitte sehr!(ビッテ ゼーア)

さようなら
Auf Wiedersehen!(アオフ ヴィーダーゼーエン)


補遺

トマトが赤くなると医者が青くなる。
Wenn die Tomaten Rot werdet,
dann wird der Arzt Blau.
(ヴェン ディー トマーテン ロート ヴェルデット、
ダン ヴィアード デア アールツト ブラオ。

探してみたけど見つからなかったので、普通に独訳しました。
諺だから特別な言いまわしだったり古い言葉を使ってある可能性も(あと単複取り違えてる可能性もな;)ありますが、その辺はご容赦を。
しかしこれ、ドイツの諺、なのか?
なんか検索してると「ヨーロッパの」とか、むしろ「イタリアの」と明言されてたりするんですが(笑)


参考資料

『世界の言語ガイドブック1(ヨーロッパ編)』東京外国語大学語学研究所、三省堂、1998
『やさしいドイツ語入門』山川丈平、郁文堂、1979


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